電子カルテ導入事例

理念の実現を目指して

いいもり歯科

長崎県西海市

1.「電子カルテ」との出会い

 Y社の『レセコン』を2世代使用しましたが、切替時期も近づいていたため九州デンタルショーで各社の情報を収集することにしました。
 各ブースでは2015年4月以降は完全義務化となるレセプトの電算化に対応した『カルテコン』の説明を受けましたが、唯一アイデンスブースだけが『電子カルテ』でした。医科での普及は聞いていましたが、歯科でも取り扱われている事を初めて知る機会になりました。紙カルテが無くなることによる様々なメリットが生じる可能性を聞き、医院の将来像を唯一イメージすることができました。
 その後、院内で数社のデモ受けましたが、最終的には、O社とアイデンスの2社に絞りました。当初は「カルテコンで操作性が良いメーカ」と考えていましたが、デンタルショーでイメージできた電子カルテによる院内の合理化で医院の理念を実現したいと言う気持ちが最終判断となりました。加えて、「電子カルテ」に必須の法的な要件は備わっており、ペーパーレスに必須の操作性や通信メンテナンス、加えて担当者の熱心さもプラスになり、アイデンス社の「ProSeed SV」を導入することに決定しました。

2.信頼される歯科医院

 院内システムの変更には混乱が予測されたため、「患者さんから信頼される歯科医院」を目指すという理念の実現には「電子カルテ」が有効なことを話し、理解をして貰うことができました。最大の不安は、慣れ親しんだ「紙カルテがない」ことでしたが、それは杞憂に終わりました。パソコンの画面を見なければならないために、患者さんの顔を見ないで話すという状態になることはありませんでした。スムースに入力できる操作性や患者さんの情報を瞬時に確認できる機能等によって、紙カルテの中で情報を探しながら話すよりも、もっと患者さんの顔を見て話すことができたのは想像を超えるものでした。
 また「承認」のタイミングもいろいろと試しましたが、入力の正確性を確認できたため、現在は患者さんの入力毎に行っています。更にカルテ印刷が無くなることで消耗品のコストダウンなど目に見える削減もありました。それ以上に嬉しかったことは、カルテの出し入れ等を含んだ事務処理の時間軽減によって、理念の実現には必須の受付スタッフの患者さんとのコミュニケーションに充てる時間に活用することができるようになったことです。そして、診療に一層集中できるようになり、理念の実現に一歩近づいたことを実感しています。

3.今後への期待

 当医院では「サブカルテ」として患者さんのカルテ記載以外の情報を全スタッフで取得し、一元化して共有しています。現在は便宜上、紙を利用してメモを貼付していますが、取得した情報を音声や手書き感覚で残したものが、「電子カルテ」の中で一元管理が可能になることは、ハードの進歩と共にそう遠くなく実現可能と思いますので、期待しています。